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サンプル9  6.19 工作で子どもが自発的に工夫・発展するようになるために

子どもたちが 自発的に「こんなものが作りたい!」と
工夫しながら制作していくようになるには、いくつかの条件があります。

工作のハードルが低い

市販の工作の本に載っている工作見本も 親が子どもに作ってあげる見本も、
完成度が高すぎるために 工夫や発展させる余地がなくなります。
逆に言えば、工夫・発展させる余地を残すには ハードルが低いほうがいいのです。

たとえば 空気の力で動く船を作るのでしたら、ペットボトルのキャップやプリンのカップを
水に浮かべ、ストローで吹いて動かす程度で十分です。

すると子どもにも、「どうすれば もっと速く動くのかな?」 「帆をつけてみたい。」
「あ、そうだ!アイスの棒を並べてくっつけて いかだにしたい。」
「潜水艦が作りたい。」  といった 自分なりの発想が浮かびやすいのです。

小さな経験の積み重ねがある

また それまでの経験の積み重ね無くして、いきなり工夫・改良することはできません。
工作とは言えないような工作や ハードルの低い~レベルの低い活動が
日々の中でたっぷりある環境こそが、
自分で発想し工夫を凝らし考えていくための 素地を作り上げます。

☆風船の口を結ばずに空に飛ばしてみる。
 風船の中から出る空気で折り紙を飛ばしたら、「舞っているちょうちょ」

☆磁石でいろんなものをくっつけてみる。
 描いた落書きに金属を貼りつけ、紙をはさんだ裏側から磁石で動かす「動くテレビ」

☆発泡スチロールを崩し ポロポロと落として「雪」

「~に似てるね!」 そんな風に 親子で会話するだけ。
その積み重ねが 豊富な発想の基になるのです。

「子どものための時間」がある

「潜水艦が作りたい」と言う子どもには、 空のペットボトルを水に沈めて
ぷかっと浮かんでくる様子を 見せる程度にしておきます。
「これが水の中で沈んだままだったら 潜水艦だよね。」 といった会話を楽しみながら、
「重いものを入れてみたら どうなるのかなぁ?」
「どうやったら 水の中でも前に進むのかな?」
と 子どもの側から さまざまなアイデアが生まれてくるのを待ちます。

工作だけでなく 遊びの場面でも学習場面でも同じことが言えます。
子どもの時間を、大人から見て「意義」や「意味」や「価値」を生み出す時間に
してばかりいると、子どもの心は あらゆることに縛られてしまいます。

子ども自身が考えるためには ゆったりとした状況が必要なのです。
子どもの側からアイデアが生まれるまでの 「子どものための時間」こそが 必要なのです。

工作がシンプルである

写真のような「ただのダンボール箱」は、
次から次へと 教室の子どもたちから 新しい発想や創造性を引き出します。

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四角い枠を切り抜けば それがテレビになり、ペープサートの舞台となり、
影絵の画面となり、ハンバーガーショップの店頭にもなっていました。
小さな穴を開ければ、ひもを通してエレベーターを引き上げ、
ストローを通してお化けが膨らむしくみを作り、ケーブルカーを動かします。
レールをつけて ミニカーが滑り降りる道路を作ったりもしますし、
ホースをつなげば ビー玉コースターにも変身しました。

「工作をしよう!」と構えずに、遊びと工作の中間くらいにあるシンプルなものを
親子で楽しむことが、自発的に製作するためのコツなのです。

自由に発想できるように 見本は完成度が低くしくみだけがわかるもの。
シンプルな素材を使い 綺麗な仕上がりを目指さないことが、
最終的には、完璧な凝った作品を作りあげようとする子どもの原動力になります。



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